自己満の味噌煮

小説書く。難しい。

それはまるで天国へ帰る天使のようで(未完成)

あ、あ、と自分の隣にいる親友は言葉にならない小さな声を発していた。
そんな親友の虚ろな目は大きく見開かれ、目の前にあるものをじっと見つめて大粒の涙を流していた。
第三者から見たら異様な光景だろう。
村の真ん中、磔にされ燃やされた女の子の残骸を見つめる二人の少年。
一人は冷静にそれを見つめ、もう一人は今にも倒れてしまいそうなくらい顔を真っ青にしてそれを見つめている。

村人に話を聞けばきっと「仕方ないことだった」と口を揃えて言うだろう。
何が仕方ないことだったのか、何故彼女が死ぬことが仕方ないことにされたのか。
きっと親友も納得はいかなかっただろうと、僕は考えた。

どさっと音がして突然隣にいる親友が膝をつき、首から紐でかけてある指輪を両手で握りしめた。
その肩は震え、地面にじわりと涙が染み込んだ。
それは彼が、彼女に大きくなったら結婚しようと言われた時に貰ったものだった。
彼女はまだ幼くてよく理解してなかったからなのか、僕にもくれたのだが。

彼女はまだまだ小さい子だった。
幼馴染である僕と親友によく懐いて、一緒にたくさん遊んだ。
彼女はまるで、天使だった。
小さく幼いながらも、優しく健気で大人びていて親友も僕も彼女が大好きだった。